トヨタ自動車は4月に始まったエコカー(環境対応車)減税の対象車を増やすため、既存車の燃費性能向上のための部分改良を進める。年内に、全面改良して4月に発売したばかりの小型ミニバン「ウィッシュ」の四輪駆動を改良して発売する。ハイブリッド車(HV)のない日産自動車に続いて、HVで先行するトヨタまで異例の「改良直後の改良」に踏み切ることで、エコカーをめぐる販売競争はさらに激化しそうだ。
エコカー減税は、排ガス量や燃費性能に応じて自動車取得税・重量税を50~100%減免する制度で、期間は約3年間。トヨタは全約50車種のうち28車種が対象となっている。
新型ウィッシュの場合、排気量1・8~2リットルの二輪駆動は50%減税され、購入者にとって実質、6万~8万円の負担減になる。しかし、四駆は基準を満たさず、適用対象外。ウィッシュをはじめ多くの車種が「社内の計画販売台数を下回っている」(幹部)こともあり、燃費向上のため、前倒しで改良することにした。
同様に減税対象外となっているワゴン「マークXジオ」の四駆なども改良する方針。
減税に加え、今後はエコカー購入費の助成制度も始まる見通しで、深刻な販売不振に悩む自動車各社は少しでも追い風にしようと躍起になっている。