2009年5月3日日曜日
トヨタ・ホンダのハイブリッド車、韓国上陸
トヨタとホンダが最新のハイブリッドカーを前面に出し、危機脱出を目指している。既に日本市場で大きな成功を収め、北米市場にも来月から最新のハイブリッドカーを投入、再び跳躍を狙う計画だ。
A&Dコンサルタントのユン・ジェソク会長は、「日本の自動車業界は、現在は円高の影響で深刻な販売不振に直面しているが、為替レートが少し良くなりさえすれば、即座に競争力がバネのように跳ね上がる」との見込みを示した。経済危機に直面する中、生産部門を大幅にスリム化した上に、エコカーの競争力が圧倒的だからだ。
◆トヨタとホンダ、価格を抑えたハイブリッドカーで世界市場に勝負
トヨタとホンダは「ハイブリッドカーは一般車両より高い」という認識を完全に覆している。ホンダが今年2月に日本国内で発売したNewインサイトは189万円。ウォンに直すと2600万ウォン(100円=1390ウォン基準)だが、もし100円=900ウォンまで円が下がると、1700万ウォンにすぎなくなる。準中型車の現代アバンテを購入する程度の負担額にしかならない。公認燃費は、韓国基準に合わせるとリッター当たり23-24キロの水準で、一般の準中型車のほぼ2倍に達する。
ホンダがハイブリッドカーの低価格化策を打ち出したのに合わせ、トヨタも応戦に出た。トヨタは5月中旬から販売する第3世代新型プリウスの価格を、205万円まで大幅に引き下げると発表した。新型は旧型に比べ性能面で大幅に強化され、内装・外観のデザインなどがはるかに良くなっていることを考慮すると、破格の値段だ。
低価格策のお陰で、日本ではハイブリッドカーが大いに売れている。今年2月から販売を開始したNewインサイトは既に1万8000台が売れ、供給が需要に追い付けずにいる。新型プリウスは契約開始から1カ月で契約数が4万を超え、一部の販売店では契約全体に占めるプリウスの割合が80%に達するほど、爆発的な人気となっている。
これによりトヨタは、今年日本で生産する新型プリウスの台数を50万台に増やした。これは、2008年の日本国内におけるプリウス生産台数30万台より20万台も多い。またトヨタは、今年夏に米国で発売する新型プリウスの価格を2万1000ドル(現在のレートで約203万円、以下同)に設定、旧型より1000ドル(約9万6000円)も下げることとした。旧型より燃費が大幅に向上したにもかかわらず、既存モデルよりむしろ安くするのは極めて異例のことだ。一方ホンダは、5月から米国で販売するNewインサイトの価格を2万ドル(約193万円)とする予定だ。
◆トヨタ&ホンダ、韓国市場もエコカーで攻略へ
トヨタは今年10月、「ハイブリッドカー」と「低価格」を武器に韓国市場に上陸する。トヨタは韓国で新型プリウス、カムリ・ハイブリッド、RAV4などを売り出す予定だ。トヨタ本社の関係者によると、同社は韓国市場での販売台数を月当たり少なくとも2000台と見積もっており、このうち50%以上は新型プリウスとカムリ・ハイブリッドが占めると見通している。
この関係者は、「韓国には低価格のプリウス基本モデルを持ち込む予定。韓国政府のハイブリッドカー支援額を考慮すると、2000万ウォン(約145万円)台後半でも購入可能だ」と語った。
トヨタ側は、韓国市場では一般消費者のハイブリッドカーに対する認識がまだ高くないとみている。そこで今年7月以降、現代・起亜自がハイブリッドカーを発売し、関連市場が形成されてから、新型プリウスで攻略するという計画だ。トヨタ本社の関係者は、「戦略的判断により、韓国市場の販売価格を大幅に引き下げることもできる」と語った。
◆まだハイブリッド技術基盤が弱い現代自、日本に内需市場を明け渡す可能性も
韓国の自動車メーカーの場合、現代自がアバンテLPG(液化石油ガス)ハイブリッドを7月に、起亜自がフォルテLPGハイブリッドを9月に発売する予定だ。公認燃費は1リットル当たり18キロ程度となることが分かった。しかし、既に15年程度の歴史を持っている上に今年100万台以上のハイブリッドカーを生産する日本企業に比べると、技術と価格競争力の双方で劣っている。現代自・起亜自は、日本のガソリン・ハイブリッドカーと直ちに燃費争いをすることは不可能なため、ガソリンより安いLPGを燃料に使って経済性を高めた。
しかし現代自・起亜自のハイブリッドカー生産能力は、2010年まで3万台と定められている。現在の状態では、作ればそれだけ赤字になるからだ。従って、韓国市場でハイブリッドカーの需要が爆発的に増えたとしても、現代自・起亜自はその需要を満たせるだけの車を作り出すこと自体が不可能だ。結局、残りの市場を日本に明け渡すというありさまになり得る。政府の方針によると、7月からハイブリッドカーを購入した顧客は、地下鉄債券買い入れ金、個別消費税および取得・登録税などの減免サービスが受けられ、その額は最大で310万ウォン(約22万円)に達する見込みだ。