今、話題の自動車と言えば、エコカー減税策などの法案で注目を集めながら、6年振りのフルモデルチェンジで5月18日に発売されたばかりの新型 プリウスだろう。
しかも、この新型 プリウスの発売は、戦後からの日本のモータリゼーションを考えると、僕ら一般人はもちろん、諸々の社会情勢から政官財の注目を集めた中で発表されたという珍しいケースだと思う。
おかげで、インターネット上ではプリウスと検索すると、経済情勢やら部品メーカIR情報のような記事やら、エコカー減税策をはじめとした政府の動きやら、それに連動してマーケティング的な話題やらブログまで多くの情報がヒットする。本来の対象者である僕ら一般人、すなわち購入検討している方に整理された情報が届いていないのではないかと心配してしまう。
そして、お目当ての“プリウス”にたどり着いたとしても、次の疑問が他のクルマ同様に訪れる。そう、グレードが複数あるのだ。基本装備の違いによって異なるのだが、その価格差は最大で122万円もある。
と、いうことで新型 プリウスのグレードについて簡単にまとめてみましたので購入サポートとして役立てていただければと思う。
松竹梅の基本3グレードから選ぶべし
プリウスのカタログを眺めると、「L」「S」「G」「Sツーリングセレクション」「Gツーリングセレクション」「Gツーリングセレクション・レザーパッケージ」と全6グレードある。 そのうち基本的となるグレードは、低価格でもっともベーシックな「L」、標準的な装備の「S」、上級グレード「G」の3グレード。
いずれのグレードもハイブリットシステムを構成するガソリンエンジンと電気モーターに性能差はなく、全車にトヨタ独自のハイブリットシステム(リダクション機構付THS II)を搭載する。いわゆるパワーはすべてのグレードで同じとなる。
そこで、主な装備の違いを挙げるとベーシックな「L」はオーディオレス。標準モデルの「S」はCD+AM/FMのカーオーディオを装備し、Gはそれにクルーズコントロールを装備する。
一見、オーディオが必要なければ、価格がもっとも安いベーシックな「L」が、お買い得に思えてしまうのだが、「L」では、ハイブリットカーならではの快適装備のメーカーオプションの選択できなくなってしまうことが多々ある。
メーカーオプションが自由に選べるのも新車を買う醍醐味のひとつといえるので、ここは後悔しないためにも真剣に考えて頂きたい。
次に、基本の「L」「S」「G」の3グレードごとに選択できる、メーカーオプションについて解説し、「ツーリングセレクション」と「ツーリングセレクション・レザーパッケージ」についても紹介しよう。
グレード「L」
もっともシンプルな装備で、価格も全グレードの中で最も安い205万円(メーカー小売希望価格)で買いやすいグレード「L」。
オーディオレスだが、標準で4スピーカーが備わっており、スピーカーの配線もコンソールまで来ているので、ディーラーオプションで好きなカーオーディオを選ぶことも可能。
但し、他のグレードのようにリアワイパーやフロントフォグランプなどの視界を確保のための装備がオプションで選べない。
またトヨタ純正のカーナビのモニターと連動する、インテリジェントパーキングアシストをはじめとした先進装備の選択はできないので注意が必要だ。
とはいえ、205万円というプライスはハイブリットカーとしては魅力的。先進装備よりまずは燃費と考えているユーザにはオススメのグレードかもしれない。
グレード「S」と「Sツーリングセレクション」
CD+AM/FM+6スピーカーのカーオーディオが標準装備もなり、かつ「L」ではオプションでも選択できなかった、リアワイパーやフロントフォグランプが標準装備がされたのがグレード「S」。
価格は220万円と「L」より15万ほど高くなったが、この装備ならお買い得感がある。
またグレード「S」には「ツーリングセレクション」いうパッケージングが用意されており、ヘッドライトの汚れを洗浄するポップアップ式のヘッドライトクリーナーを装備し、視界確保の装備が充実するとともに、グレード「S」が15インチのアルミホイールを履くのに対し「ツーリングセレクション」は17インチを履く。リアバンパースポイラーも標準で付くなど、より走りの向上とスポーティーな演出がされている。
「S」、「Sツーリングセレクション」では、メーカーオプションで、HDDカーナビゲーションシステムとセットとなっている車庫入れや縦列駐車において、車両がステアリング操作をアシストするインテリジェントパーキングアシストがメーカーオプションで選択できるようになる。
また、プリウスらしいメーカーオプションとして、ムーンルーフに設置したソーラーパネルで発電した電気によって駐車中に社内の換気を行うソーラーベンチシステムもメーカーオプションでグレード「S」から選択ができるようになるが、Sツーリングセレクションでは選択できないので注意が必要だ。(※選択できない理由は、ソーラーベンチシステム・ムーンルーフの重量が重いため本来ツーリングセレクションに求める走りへ影響がでるとのこと)
車庫入れに便利なインテリジェントパーキングアシストとソーラーベンチシステムを選択したい場合は、このグレード「S」がオススメだ。
グレード「G」と「Gツーリングセレクション」「Gツーリングセレクション・レザーパッケージ」
グレード「G」は基本のグレードの中でもっとも高い245万円。
「S」より25万も高くなるが、装備の内容が「S」の装備に加え、グレード「G」はクルーズコントロールが加わり、シート表皮がスエード調の上級ファブリック、ステアリングは本皮巻きとなり、質感の向上も図られているため、納得できる価格だ。
他、インテリジェントパーキングアシスト、ソーラーベンチシステムがオプションで付くことや、ツーリングセレクションの内容はグレード「S」と同じであるが、グレード「G」には、「Gツーリングセレクション・レザーパッケージ」が用意されている。
「Gツーリングセレクション・レザーパッケージ」は、読んで字のごとく、シートは本皮。
ツーリングセレクションの装備に加えて、クルーズコントロールはメーカーオプションのブレーキ制御付きのレーダークルーズコントロールが標準装備になり、ドライブでの快適性と安全性を飛躍的に向上させている。
そして、特筆すべき点として、「Gツーリングセレクション・レザーパッケージ」は、インテリジェントパーキングアシストが付いたHDDカーナビゲーションが標準装備。プリウスの先進技術を体験するのは最高の一台といえよう。
まとめ
よって、オススメの新型プリウスは、さまざまなオプションが選択できる、グレード「G」をベースに欲しいオプションを選ぶことがベターと言える。
そして予算と相談しながら、オプションを整理すれば、納得のいくグレードとオプションを装備した、自分にピッタリなプリウスが買えることだろう。
ちなみに10・15モードの燃費基準では、グレード「S」「G」は35.5 km/Lに対して、グレード「L」は38.0km/Lとカタログ上では最も燃費が良く燃費を重視するなら見逃せないポイントだ。
ただし、これは簡潔な装備で車両重量が軽いためであり、やはり装備面も考えて選ぶなら「S」または「G」がオススメ。また、走りにもこだわりたければ、ツーリングパッケージを選ぶのが良いだろう。
言うまでもないが、どのグレードを選んでもエコカー減税の対象となり、対象の税金が免税になる。