ダイムラーは16日、メルセデスベンツ『SLS AMG』の電気自動車バージョンを開発していると発表した。4つのモーターは533ps、89.7kgmを発生し、0 ‐ 100km/h加速は4秒以内で駆け抜けるという。
ダイムラーはSLS AMGの開発当初から、EV仕様の設定を視野に入れていた。それはSLSの軽量なアルミスペースフレームボディ、低重心設計、前後重量配分などが、EVスポーツカーとしても理想的なパフォーマンスを発揮できるからである。
SLS AMGのEV版は4個のモーターをそれぞれの車輪付近にレイアウト。トランスミッションは前後アクスルに1基ずつ、合計2基を搭載する。4個のモーターは、最大出力533ps、最大トルク89.7kgm。6208ccのV8を積むSLS AMGの571ps、66.3kgmを、最大トルクにおいては20kgm以上も上回っている。
この強大なパワーとトルクは4輪に伝達され、0 ‐ 100km/h加速4秒以下と、SLS AMGの3.8秒と同等の性能を実現。モーターは減速時には回生ブレーキとしても機能する。
2次電池は蓄電容量48kWh、定格電圧400Vの液冷式リチウムイオンバッテリーで、センタートンネルとシート後方の低い位置にレイアウト。SLSの持ち味である低重心構造と前後重量バランスの良さは健在だ。
メルセデスベンツAMGのCEO、Volker Mornhinweg氏は「SLS AMGのEV仕様が、スーパースポーツカーの新しい世界を提案。環境問題に対する我々の回答でもある」と語っている。
ダイムラーは、このEVスーパーカーの市販に関するコメントを発表していないが、関係者によると、2015年の発売を目指して開発を進めているという。ちなみに、ガソリンエンジンのSLS AMGは、9月のフランクフルトモーターショーで正式発表され、2010年春に発売のスケジュールだ。