日産自動車は27日、10年に発売する電気自動車(EV)の実験車両を公開した。独自開発の高性能モーターと大容量リチウムイオン電池を搭載し、1回の充電で160キロ以上走れるようにした。電池の小型化により、5人乗りコンパクトカー並みの室内空間も確保。販売で先行する軽自動車ベースの三菱自動車製EV「i-MiEV(アイミーブ)」などとの差別化で、早期の普及を図る。
200ボルトの家庭用電源なら8時間でフル充電、急速充電器なら30分で8割充電できる。最高速度は140キロ以上で、高速道路もスムーズに走行できるという。
さらに、専用の通信システムを活用し、カーナビゲーションの地図上に、残りの充電量で走行可能なエリアや目的地周辺の充電スタンドの最新情報を表示するようにした。アイミーブなどのEVのほか、車両価格の安さを強みにエコカー市場を席巻するトヨタ自動車の「プリウス」などのハイブリッド車に対抗する。
販売車両のデザインは8月2日、東京・銀座から横浜市への本社移転式典で発表する。価格は未定。