トヨタ自動車は14日、同社二つ目のハイブリッド専用車「HS250h」を発売した。電気自動車や燃料電池車など環境対応車(エコカー)が続々開発されるなか、プリウスに続く専用車の投入で、技術力で一歩先を行くハイブリッド車をエコカー市場の中心に据えようとの戦略だ。
HSは、トヨタの高級車ブランド「レクサス」初のハイブリッド専用車となる。価格は395万円からと、ガソリンエンジンと電気モーターの両方を備えるハイブリッドシステムを積みながら、レクサスの中で最も安い車種となる。「レクサスは走りが重要だが、走りプラス環境に挑戦したい」。豊田章男社長は同日、都内であった新車発表会でこう強調した。
HSは5人乗りセダンでガソリンエンジンの排気量は2.4リットルあるが、燃費は1リットル当たり23キロと小型車「ヴィッツ」並み。
3代目プリウスの低価格路線が当たったことから、希望小売価格(税込み)は395万〜535万円と、高級車ブランドにしては「消費者の間口を広げた」(古谷俊男レクサス営業担当専務)。これにより発売前ながら、3千台を上回る注文が入っているという。
国内市場ではハイブリッド車の人気が高まっている。6月の国内新車販売ランキングでは、トヨタのプリウスが軽自動車を抑えて首位を獲得。ホンダのハイブリッド専用車「インサイト」も好調で、6月の新車全体に占めるハイブリッド車の割合(軽自動車を除く)は14%に達した。
トヨタは97年のプリウス発売以来、ハイブリッド専用車はプリウスだけとしてきたが、HSに続き、年内にさらにトヨタブランドの新ハイブリッド専用車「SAI(サイ)」も投入。技術の蓄積に一日の長があるハイブリッド車をエコカーの第一人者として市場に定着させる考えだ。