19日から申請受け付けが始まった「エコカー補助」の追い風を受け、トヨタ自動車のハイブリッドカー「新型プリウス」の売れ行きが好調だ。ただ、生産が追いつかず、今注文しても、納車は7カ月以上先の来年1月末から2月初旬になってしまう。納車前に車検切れを迎える客も少なくなく、販売店は代車を用意するなど対応に追われている。
トヨタ自動車によると、新型プリウスの国内受注台数は発売1カ月で18万台に達した。「把握している限り前例がないペース」(同社)で、記録的なヒットとなるのは確実だ。
新型プリウスを販売する福岡トヨタ(福岡市)には、これまで約2200台の注文があったという。売り上げ台数は全車種の7割に達し、発売時点で納期まで数カ月の待機期間が発生。その間に車検が切れる客には約100台の代車を無料で貸し出してきた。しかし代車も足りなくなったため、現在は注文時に伝えた納期日がさらに延びた客などを対象に、重量税を除く車検代を同社が負担するなどして対応している。
一方、福岡トヨペット(同)は、新型プリウス約1900台の注文を受けており、納車が来年1月以降になる見通しだが「待機客が多すぎる」として特別な対応は行っていないという。
福岡トヨタは「人気なのはありがたいが、待っている間に転勤などでキャンセルが発生したり、客の気が変わるのが心配」と気をもんでいる。