2009年10月6日火曜日

東京モーターショーへトヨタが超小型EVなど出展 技術力で存在感

 トヨタ自動車は6日、今月下旬に開幕する東京モーターショーへの出展概要を発表した。世界初お目見えとなる超小型電気自動車(EV)のほか、家庭でも充電可能なプラグインハイブリッド車(PHV)、富士重工業との共同開発スポーツカーのコンセプトカーなどを展示。あらゆるレベルでの先進技術をアピールし、自動車業界の牽引役としての存在感を見せつけた。


 超小型EVのコンセプトカー「FT-EVII」は、同社の超小型車「iQ」よりもコンパクトサイズで、全長2730ミリ、全幅1680ミリ、全高1490ミリの4人乗り。ブレーキやアクセルがなく、バーを握って、手で全ての操作を行うのが特徴だ。両側のドアは狭い駐車スペースに停車した場合を考え、前後に動く電動スライド式とした。

 充電には100ボルト電源で7.5時間ほどかかる。フル充電での走行可能距離は90キロ程度で、最高速度は時速100キロ以上。ルーフにはソーラーパネルを搭載し、ヒーターや空調の稼働に使う。

 トヨタによると「子供の送り迎えなど、都心での近距離移動手段として使用してほしい」という。同社は2012年にもEVを米国市場へ投入する方針で、「FTーEVII」をEVのあり方の一つとして提案したいとしている。

 一方、PHVは、ハイブリッド車(HV)新型プリウスをベースに作られており、今年末から日米欧に投入される。コンセプトカーはすでに、今年9月中旬フランクフルト国際モーターショーでも展示されている。

 燃費性能は1リットル55キロ以上で、現行のプリウスより20キロ近くアップする。電気モーターだけで動くEV走行の距離は20キロ以上を目指す。充電時間は、100ボルト電源で180分、200ボルト電源で100分。トヨタは「短距離のEVとは違い、長距離走行を担う役割を果たしてほしい」とする。

 このほかにも、富士重工と共同開発した4人乗りのスポーツカー「FT-86コンセプト」も展示。富士重独自の技術である低重心の水平対向エンジンを使用しており、車体のコンパクト化をはかるなどした。「操作のしやすさを追求し、運転の楽しみと環境性能を両立させた」としている。