ポルシェのミハエル・マハト新CEOは15日、フランクフルトモーターショーのプレスカンファレンスで、EVスポーツカーの開発を正式に宣言した。
ポルシェに関しては昨年11月、複数のメディアが「米国テスラ社の『テスラロードスター』を研究開発用にオーダーした」と報じ、電気自動車の本格研究に着手した証と話題になった。
テスラロードスターは、ロータス『エリーゼ』をベースに開発したスポーツカーで、最大の特徴は電気モーターのみで走行するEVスポーツという点だ。
ミッドシップに置かれる強力なモーターは、最大出力250ps、最大トルク38.2kgmを発生。軽量なエリーゼをベースにしたことで、車重は1220kgに抑えられ、0 ‐ 96km/h加速3.9秒、最高速200km/h(リミッター作動)の性能を発揮する。ポルシェが興味を示すのも無理はない。
2次電池はリチウムイオンバッテリーで、急速チャージャーを使えば約3.5時間で充電可能。最大航続距離は393kmを確保した。テスラロードスターは米国での販売価格が12万8500ドル(約1175万円)からとポルシェと重なる価格帯。すでに700台が納車されている。
ポルシェのミハエル・マハト新CEOは、フランクフルトモーターショーのプレスカンファレンスにおいて、「ポルシェは将来、EVスポーツカーをラインナップすべきと考えています」と説明。さらに「そのためには現在のガソリンエンジンのスポーツカーと同等のパフォーマンスと航続距離の実現が必要です」と語った。
EVの大きなネックのひとつが、その航続距離の短さだろう。テスラロードスターの約400kmでは、ポルシェはまだ足りないと考えているようだ。マハト新CEO は「バッテリーを中心に、ポルシェ基準に見合うEVスポーツカーの研究開発を進めています」と、力強く宣言した。
気になるのはポルシェのどのモデルがEV化されるかという点。ポルシェはすでに『カイエン』と『パナメーラ』のハイブリッドを2010 - 11年に発売することを明らかにしている。となると、やはりポルシェの代表車種『911』が、EV第1号ということになるのだろうか。
今年のフランクフルトモーターショーでは、ダイムラーがメルセデスベンツ『SLS AMG』のEV仕様を、アウディが『R8』ベースのEV仕様を開発していることを公表した。果たして、ポルシェのEVの正体は!?