2009年9月30日水曜日

ホンダ、モーターショー出展の電気自動車を発表

 ホンダは30日、新型電気自動車(EV)「EV-N」のコンセプトカーを10月24日から千葉・幕張で開かれる東京モーターショーに出展すると発表した。全長2860ミリ、幅1475ミリ、高さ1515ミリで軽自動車より一回り小さく、外装も白のシンプルなものとした。




 EV-Nは車外の人とのコミュニケーション機能を備えており、専用の小型携帯端末を持った通行人は、EV-Nの前を横切る際、端末のボタンを操作して「渡ります」という信号を送る。これに対し、運転者も車内のボタン操作で端末を振動したり光らせたりして返信できる。

 ホンダはこのほか、来年発売するスポーツタイプの新型ハイブリッド車(HV)「CR-Z」や、初公開の3列シート型HV「スカイデッキ」のコンセプトカーなど、最新技術を搭載した車を出展する。

HV並み燃費 マツダ「勝負エンジン」

 マツダは29日、ガソリンエンジンだけでハイブリッド車(HV)並みの燃費性能を誇る次世代エコカーを2015年前後に発売する計画を発表した。燃費はガソリン1リットル当たり32キロが目標。試作車の「清(きよら)」を10月24日から千葉市の幕張メッセで一般公開が始まる「第41回東京モーターショー」に出展する。

 ロータリーエンジンなどで培った技術を駆使し、ガソリン車の性能を飛躍的に高めることで、HVや電気自動車(EV)に対抗していく。

 「清」は排気量1300ccの小型車で、昨年10月のパリ国際モーターショーでコンセプトカーとして出展された。今回は、世界初公開となる燃費性能を大幅に向上させた新型エンジンを搭載。独自のアイドリングストップ技術「アイ・ストップ」のほか、減速時のエネルギーを活用しバッテリーを充電するシステムなどを採用する。

 市販の段階で、現在のHVと遜色(そんしょく)ない燃費性能が可能という。

 次世代エコカーをめぐっては、ライバル各社は、HVに続く、本命としてHVに注力している。これに対し、マツダは2020年の段階でもEVの本格的な普及は進まないと予測。「すべての動力の基本となるエンジンの徹底的な効率化が必要」(羽山信宏専務)と判断し、ガソリン・エンジンの燃費向上に経営資源を集中する方針だ。マツダでは、ガソリンに代わる次世代エコカーとしては、水素燃料自動車の開発に力を入れている。

 トヨタ自動車やホンダもEV普及には時間がかかるとみて、当面はHVを主軸に据える戦略だ。これに対し、日産自動車はHVをつなぎと位置づけ、EVに注力している。

2009年9月29日火曜日

ドイツからEVレーシングカー…ドライバーには体重制限!?

 ドイツ・ドレスデン大学が主体となって立ち上げたEVブランド「Eウルフ」は15日、フランクフルトモーターショーで新型『e1』を発表した。0-100km/h加速5秒以下、最高速230km/hという公道走行も可能なフォーミュラマシンだ。

 e1はゼロエミッションのEVレーシングカー。高性能モーターは150ps、25.5kgmというパワフルなスペックだ。2次電池はリチウムイオンバッテリーで、車体中央に配置され、重量は84kgに抑えられた。

 フォーミュラマシンそのもののボディには、カーボン複合素材がふんだんに使用され、車体重量はわずか500kgの軽さ。この結果、e1は0-100km/h加速5秒以下、最高速230km/hという1級の性能をマークする。

 EVで課題となる航続距離に関しては、300kmを確保。レース1戦分はカバーできる距離である。

 Eウルフは、このe1を市販する計画を持っており、価格は15万ユーロ(約2000万円)とアナウンス。公道走行に必要な認可も取得するという。同社はさらに高性能な『e2』を開発しており、2年以内の投入を目指している。

 e1はそのスペックをフルに引き出す目的で、顧客に対して、ある制限を導入。それはドライバーの体重制限だ。e1のドライバーは体重70kg以下に限定。「軽さが命」との主張を込めたEVである。

2009年9月28日月曜日

アウディのEVスーパーカー…プレステ3でバーチャル体験

 アウディは12月から、EVスポーツカーコンセプト、『eトロン』の仮想ドライブゲームを、ソニーの『プレイステーション3』ユーザーに無償提供すると発表した。

 eトロンは、今年9月のフランクフルトモーターショーで初公開。超1級の動力性能をゼロエミッションで実現することを目標に掲げたEVスポーツカーだ。その前後アクスルには2個ずつ、合計4個のモーターを搭載。トータルの最大出力は313psだが、驚くのはその最大トルクで、実に459kgmを発生する。

 2次電池は蓄電容量42.4KWhのリチウムイオンバッテリー。ベース車両の『R8』同様に、ASF(アウディスペースフレーム)シャシーにアルミ&カーボン複合素材のボディを載せたeトロンは、車重1600kg。前後重量配分は42対58と理想的だ。回生ブレーキも装備された。

 459kgmのトルクは4輪に伝達され、0-100km/h加速4.8秒、最高速200km/h(リミッター作動)の卓越したパフォーマンスを実現。最大航続距離248kmの実用性も兼ね備える。充電は家庭用の230Vコンセントで約6 - 8時間。400Vの急速チャージャーを利用すれば、約2.5時間で完了する。

 まさに未来のスーパーカー、eトロンだが、アウディはソニーと共同で、『プレイステーションホーム』内の「アウディスペース」に、このeトロンの仮想ドライブゲームを用意。上海や米国シカゴを思わせる高層ビルがそびえ立つ都市を、eトロンで疾走する。もちろん、ユーザー同士での競争も可能だ。

 このゲームは、プレステ3ユーザーのみが対象。ユーザーは12月以降、プレイステーションホームからこのゲームを無料ダウンロードできる。未来のEVスーパーカーの走りをひと足早く体験できる内容は、人気を集めそうだ。

電気自動車で復活=東独車トラバント

 27日閉幕した世界の主要自動車ショー、フランクフルト国際自動車ショーでは、旧東独の国民車「トラバント」の電気自動車(EV)モデルが出展された。「トラビ」の愛称で親しまれた懐かしいデザインの前で、多くの訪問者が足を止めていた。

 「トラビ」のEVは独特殊車両メーカーのインディカーや同国小型車メーカーのヘルパなどが共同開発。2012年以降の市場投入を目指す。

 今回のショーでは、期間11日の訪問者は85万人にとどまり、前回07年の100万人弱から大幅減となった。ドイツ自動車工業会(VDA)では「出展企業が経費削減のため招待客数を大幅に絞った」としており、自動車不況が影を落とした格好となった。

米国初のEVスーパーカー…320km/hオーバーを標榜

 著名デザイナーのコーネリス・スティーンストラ氏が率いるスティーンストラGCMは、ゼロエミッションのスーパーカー『STYLETTO』を、2013年に発売するプランを公表した。

 コーネリス・スティーンストラ氏は1980年代初頭のボルボを皮切りに、メルセデスベンツ、マツダ、ヒュンダイ/キアでデザイナーとして活躍。2001年に独立し、米国カリフォルニア州にForesee カーデザイン社を設立した。

 独立後もポルシェ、日産、プジョー、ホンダ、スズキなど、仕事の幅を拡大。遂には自らの自動車メーカーという夢を抱き、2009年にForeseeカーデザイン社の別会社として、スティーンストラGCMを立ち上げた。

 新会社が初めて手がける車が、STYLETTO。そのコンセプトはフェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェに対抗できる性能を備えたゼロエミッションのスーパーカーだ。

 外観はエアロダイナミクス性能を徹底追求したデザイン。サイドドアはガルウイング方式で開き、低く構えたフォルムと相まって、ライバルに負けない存在感を発揮している。2シーターの室内は、快適な移動空間に仕上げられるという。

 モーターやバッテリーなどの性能は公表されていないが、最高速は320km/hオーバーを標榜。2010年夏のペブルビーチコンクールデレガンスで正式発表した後、2013年3月から少量生産する計画だ。

 コーネリス・スティーンストラ氏は、「環境性能に配慮したスーパーカーを作り出すのが長年の夢だった。その夢が実現する時が来た」と語る。

 STYLETTOの生産は、カリフォルニア州内で行う方針。現在、同社は複数の投資家集団と交渉している段階で、資金面のメドをつけ、2013年の少量生産を目指す。米国初の320km/hオーバーのゼロエミッションスーパーカー。果たして、アメリカンドリームは実現するか!?

2009年9月25日金曜日

レクサスRX450hに2WD追加、世界トップの燃費実現

 トヨタ自動車は、レクサスRXのハイブリッド・バージョンであるRX450hに、新たに2WD車を追加設定し、10月29日に発売する。

 新設定の2WD車は、リアモーターを省略することで軽量化を図り、4.5リッター車並みのパワフルな走りと10・15モード走行で19.4km/リッター(4WDは18.8km/リッター)、JC08モード走行で17.4km/リッター(4WDは16.8km/リッター)というクラス世界トップの燃費性能を両立。ハイブリッド車としての魅力を一層高めたモデルだ。ちなみに、ハイブリッド・システムの合計最高出力は299psで4WDと同一となっている。

 また、平成22年度燃費基準+25%と平成17年基準排出ガス75%低減レベルの認定を取得。環境対応車普及促進税制(エコカー減税)における減税措置(自動車取得税および自動車重量税が100%減税)と、環境対応車普及促進対策費補助金(エコカー補助金)の対象車となっている。

 なお、今回の2WD車追加に合わせ、RX450h全車のパワースイッチにレクサス・ハイブリッドブルーを採用。ボディカラーにブラックオパールマイカが新設定となった。

 価格は以下のとおりで、2WD車は4WD車の25万~55万円安となっている。

●2WD
・RX450h(3.5V6+モーター1個・無段変速機):545万円
・RX450h“バージョンS”
  (3.5V6+モーター1個・無段変速機):555万円
・RX450h“バージョンL”
  (3.5V6+モーター1個・無段変速機):600万円

●4WD
・RX450h(3.5V6+モーター2個・無段変速機):570万円
・RX450h“バージョンS”
  (3.5V6+モーター2個・無段変速機):610万円
・RX450h“バージョンL”
  (3.5V6+モーター2個・無段変速機):625万円
・RX450h“バージョンLエアサスペンション”
  (3.5V6+モーター2個・無段変速機):650万円

2009年9月20日日曜日

BMW、700キロ走行可能なPHVコンセプトカー発表

 独BMWは9月17日から27日まで開催されるフランクフルト・モーターショーで、世界初公開となるプラグインハイブリッド(PHV)のコンセプトカー「BMW Vision EfficientDynamics(BMWビジョン・エフィシエント・ダイナミクス)」を出展する。燃費と高性能を両立させた同車は、2+2シーターのスポーツカーで前部にモータ、後部にディーゼルエンジンとモータを組み合わせたハイブリッドシステムを装備。1km走行による二酸化炭素(CO2)排出量は99グラムで、100km走行による燃料消費量は3.76リットルになる。

 同車は、コンセントによる充電が可能なリチウムイオン電池を搭載しており、電気自動車(EV)モードでの走行距離は50kmで、燃料満タン(25リッター)時の走行距離は650km。合計で700kmの走行が可能になる。モーターショーではこの他にも、BMW ActiveHybrid 7、BMW X1(日本発売未定)、BMW 5 シリーズ グランツーリスモ(日本発売未定)といった環境技術などの最新テクノロジーを装備したモデルが展示される。

2009年9月18日金曜日

ポルシェ、EVスポーツカー開発を正式発表

 ポルシェのミハエル・マハト新CEOは15日、フランクフルトモーターショーのプレスカンファレンスで、EVスポーツカーの開発を正式に宣言した。

 ポルシェに関しては昨年11月、複数のメディアが「米国テスラ社の『テスラロードスター』を研究開発用にオーダーした」と報じ、電気自動車の本格研究に着手した証と話題になった。

 テスラロードスターは、ロータス『エリーゼ』をベースに開発したスポーツカーで、最大の特徴は電気モーターのみで走行するEVスポーツという点だ。

 ミッドシップに置かれる強力なモーターは、最大出力250ps、最大トルク38.2kgmを発生。軽量なエリーゼをベースにしたことで、車重は1220kgに抑えられ、0 ‐ 96km/h加速3.9秒、最高速200km/h(リミッター作動)の性能を発揮する。ポルシェが興味を示すのも無理はない。

 2次電池はリチウムイオンバッテリーで、急速チャージャーを使えば約3.5時間で充電可能。最大航続距離は393kmを確保した。テスラロードスターは米国での販売価格が12万8500ドル(約1175万円)からとポルシェと重なる価格帯。すでに700台が納車されている。

 ポルシェのミハエル・マハト新CEOは、フランクフルトモーターショーのプレスカンファレンスにおいて、「ポルシェは将来、EVスポーツカーをラインナップすべきと考えています」と説明。さらに「そのためには現在のガソリンエンジンのスポーツカーと同等のパフォーマンスと航続距離の実現が必要です」と語った。

 EVの大きなネックのひとつが、その航続距離の短さだろう。テスラロードスターの約400kmでは、ポルシェはまだ足りないと考えているようだ。マハト新CEO は「バッテリーを中心に、ポルシェ基準に見合うEVスポーツカーの研究開発を進めています」と、力強く宣言した。

 気になるのはポルシェのどのモデルがEV化されるかという点。ポルシェはすでに『カイエン』と『パナメーラ』のハイブリッドを2010 - 11年に発売することを明らかにしている。となると、やはりポルシェの代表車種『911』が、EV第1号ということになるのだろうか。

 今年のフランクフルトモーターショーでは、ダイムラーがメルセデスベンツ『SLS AMG』のEV仕様を、アウディが『R8』ベースのEV仕様を開発していることを公表した。果たして、ポルシェのEVの正体は!?

2009年9月17日木曜日

インドREVA社製EV、NXR…バッテリーは別売り

 インドのREVAエレクトリックカー社は15日、新型EVの『NXR』を発表した。高額な2次電池(リチウムイオンバッテリー)を別売り、またはリース販売とすることで、EVの普及を狙う。

 インド・バンガローに本拠を置くREVA社は、すでに『G-Wiz』という小型EVを世界24か国で販売中。現在までに3000台以上をデリバリーし、その総走行距離は7000万kmを超えている。

 新型NXRは、欧州M1セグメントに属する4シーターの小型3ドアハッチバックEV。背の高いフォルムやリアサイドウインドウのデザインが個性的だ。

 NXRは車両本体と2次電池(リチウムイオンバッテリー)を別々に販売する方式を採用。2次電池には数種類の容量が用意され、リースすることも可能だ。バッテリーのリース販売は、日産が新型EV『リーフ』販売に当たって導入を予定しているのと同方式である。

 NXRの欧州での車両本体価格は、1万4995ユーロ(約200万円)。バッテリーの価格は最高速80km/h、最大航続距離80kmの仕様で、9995ユーロ(約135万円)。合計2万4990ユーロ(約335万円)からとなる。

 もちろん、バッテリーのリース販売を選択すれば、価格は引き下げられる。最も大容量のバッテリーを選べば、最高速は104km/h、最大航続距離は160kmにアップする。

 充電時間は約8時間。急速チャージャーを利用すれば、約1.5時間でフル充電できる。40km程度の走行距離を確保するなら、充電時間は約15分でOKだ。

 REVA社は、2010年初頭からNXRの生産を開始し、欧州主要国へ投入する。果たして、目論見どおり普及するだろうか。

2009年9月16日水曜日

ルノー Zoe 斬新なアプローチの小型EV

 ルノーは15日、『Zoe Z.E.コンセプト』を発表した。Z.E.とはゼロエミッションの略。スタイリッシュなクーペボディのEVで、セカンドカー需要を満たすEVを提案する。

 ルノーが今回のフランクフルトで発表した『フルエンス Z.E.コンセプト』は、ファミリー向け4ドアセダンのEV。一方、Zoe Z.E.コンセプトは、通勤や通学、買い物などの利用を前提に開発した街乗りEVで、セカンドカーとしての需要を狙っている。

 パワートレインは、フルエンス Z.E.コンセプトと共通。モーターはフロントアクスル近くに配置され、最大出力95ps、最大トルク23kgmを発生する。2次電池はリチウムイオンバッテリーで、リアにレイアウト。最大160kmをゼロエミッション走行できる。最高速は140km/hと実用性にも不足はない。

 充電は3種類の方法を用意。「スタンダード」は家庭用のコンセントから行うもので、充電時間は4‐8時間。充電ステーションなどで実施する「クイックチャージ」は、約20分。ルノー日産連合が主体となって開発した「クイックドロップ」システムは、約3分での急速充電が可能だ。

 Zoe Z.E.コンセプトは、大人4名が乗車できる室内空間を斬新なフォルムでまとう。ボディは2ドアクーペのように見えるが、後部にもドアを備えており、ルーフ部分をヒンジにして上方へ開く。これは後席へのアクセス性を高めるためのアイデアだ。

 ルーフにはソーラーパネルを装備し、ここで得られた電力をエアコンなどに利用。ヘッドライトやテールランプにはLEDを使用し、リアには90km/hでせり出すスポイラーを装備した。ボディ両サイドのエアインテークは、バッテリー冷却のためのアイテムだ。

 ボディサイズは全長4100×全幅1840×全高1516mm、ホイールベース2605mm。『メガーヌ』の5ドアハッチバック(全長4295×全幅1808×全高1471mm、ホイールベース2641mm)と比較すると、Zoe Z.E.コンセプトの短くワイドなプロポーションが際立つ。

 室内も斬新なアプローチにあふれる。シートの座面は石をモチーフにしており、前席シートバックは天井につながっている。インパネ最上段のモニターには、ナビゲーションや最寄りの充電ステーション、最新交通情報、バッテリーやモーターなどの状態を表示。その下のダッシュボードには透過式のスイッチを配置した。

 Zoe Z.E.コンセプトの考え方は市販車に生かされ、2011年に市場投入予定。ルノーのカルロス・ゴーン会長兼CEOは「2020年にEVは世界の新車販売の10%を占める」との見通しを明らかにしており、日産ルノー連合のEV開発は、さらに加速度を増しそうだ。

VW L1、燃費世界一…72.46km/リットル

 フォルクスワーゲンは14日、『L1コンセプト』を発表した。効率的なディーゼルハイブリッドを搭載し、エアロダイナミクスと軽量化に徹底的に取り組んだ結果、欧州複合モード燃費72.46km/リットル、CO2排出量36g/kmという、EVや燃料電池車を除いて、世界トップの環境性能を実現する。

 フォルクスワーゲンは2002年4月、1リットルの燃料で100km走行できる超省エネの試作車『1リットル』を初公開。当時のピエヒ社長が自らステアリングホイールを握り、ヴォルフスブルクからハンブルクまでの約230kmを走行。約2.1リットルの燃料を消費しただけで、100km当たり0.89リットル(112.36km/リットル)という驚異的な燃費性能を実証した。今回発表されたL1コンセプトは、その進化形である。

 パワートレインはターボディーゼル「TDI」に「Eモーター」と呼ぶ小型モーターを組み合わせたハイブリッドシステム。モーター単独、エンジン単独、モーター+エンジンの3つの走行モードを持つ、フルハイブリッド(いわゆるシリーズパラレル方式)である。

 エンジンは0.8リットル直列2気筒TDI。これは欧州向けの『ゴルフ』や『ポロ』用の1.6リットル直4TDIの2気筒版だ。最大出力は27ps/4000rpm、最大トルクは10.2kgm/1900rpm。スポーツモードでは、最大出力は39psへ向上する。

 最大出力14psの小型モーターは、エンジンと7速DSGの間にレイアウト。2次電池はリチウムイオンバッテリーを搭載する。アイドリングストップや回生ブレーキも装備された。この結果、L1コンセプトは燃費72.46km/リットル(100km当たり1.38リットル)、CO2排出量36g/kmという、EVや燃料電池車を除けば、世界トップの環境性能を達成。0‐100km/h加速14.3秒、最高速160km/h、最大航続距離670kmという実用性も兼ね備える。

 世界一の環境性能を実現した大きな要因が、軽量化とエアロダイナミクスの徹底追求だ。ボディのほとんどがCFRP(炭素繊維強化プラスチック)製。シャシーにもアルミが使われ、車体重量は380kgに仕上げられた。フォルクスワーゲンによると、この重量は1200ccクラスの2輪車と同等だという。

 380kgの内訳は、ドライブトレインが122kg、シャシーが79kg、内装が35kg、電装系が20kg。残る124kgがボディ単体重量と、圧倒的に軽い。

 エアロダイナミクスに関しては、2002年の1リットルと同様に車体前面の面積を減らすために、乗員が前後に座るタンデムシートを採用。L1コンセプトのボディサイズは全長3813×全幅1200×全高1143mm。全長は同社の小型車『フォックス』、全高はランボルギーニのスーパーカー『ムルシエラゴ』に近いが、4輪車で1200mmのナローボディは類を見ない。

 リアタイヤはボディに隠され、アンダーフロアのフラット化も実施。これらの取り組みにより、空気抵抗を示すCd値は0.195を達成した。もちろん安全性も確保されており、エアバッグやABS、ESP、衝突安全ボディなどを採用する。乗降はガルウイングドアを開けて行い、運転席からの視界は180度の見晴らしが保たれるという。

 驚くのは、フォルクスワーゲンがこのL1コンセプトを2013年には市販するとしている点。EVとは異なる究極のシティコミューターとして、欧州では受け入れられる可能性がありそうだ。

2009年9月15日火曜日

アウディ R8 EV…459kgmのメガトルク

 アウディは15日、新型EVコンセプトカー『eトロン』を発表した。『R8』をベースにしたEVで、4個のモーターを搭載。その最大トルクは、実に459kgmにも達する。

 eトロンは超1級の動力性能をゼロエミッションで実現することを目標に据えたEVスポーツカー。その前後アクスルには2個ずつ、合計4個のモーターを搭載する。トータルの最大出力は313psだが、驚くのはその最大トルクで、実に459kgmを獲得している。

 2次電池は蓄電容量42.4KWhのリチウムイオンバッテリー。ベース車両のR8同様に、ASF(アウディ・スペース・フレーム)シャシーにアルミ&カーボン複合素材のボディを載せたeトロンは、車重1600kgに抑えられた。前後重量配分は42対58と理想的。回生ブレーキも装備された。

 459kgmのトルクは4輪に伝達され、0-100km/h加速4.8秒、最高速200km/h(リミッター作動)の卓越したパフォーマンスを実現。最大航続距離248kmの実用性も兼ね備える。

 充電は家庭用の230Vコンセントで約6 - 8時間。400Vの急速チャージャーを利用すれば、約2.5時間で完了する。将来的には、自宅や外出先で車両を所定の位置に止めるだけで、自動的に充電を開始するシステムの開発を想定している。

 エクステリアはR8をベースにしながら、大型シングルフレームグリルや専用ヘッドライト&テールランプを採用。LEDがふんだんに使用されており、未来的なイメージを発散する。ボディサイズは全長4260×全幅1900×全高1230mm、ホイールベース2600mm。ベースのR8よりも各サイズともに若干短くなっている。

 インテリアはホワイトとブラウンを基本に、アルミをアクセントに使った洗練された空間。スティック状のレバーで前進や後退を切り替える。インパネはドライバー正面にナビゲーションなどのモニターを設置。その左右にメーターを置いたシンプルな設計だ。ドアミラーの代りに、リアビューカメラが採用されている。

 ライバルのダイムラーは、今回のフランクフルトで「メルセデスベンツ『SLS AMG』のEV仕様を2013年に発売する」と宣言。アウディはeトロンの市場投入計画についてアナウンスしていないが、市販されればSLS AMGの絶好のライバルになりそうだ。

2009年9月11日金曜日

ルノーから4台のEVコンセプト…市販が前提

 ルノーは10日、4台のEVコンセプトカーを15日に開幕するフランクフルトモーターショーで披露することを明らかにした。

 4台の詳細は不明だが、いずれも市販を前提にしており、将来「ルノーゼロエミッション」プロダクトレンジのラインナップに加わるという。

 ルノーは4台のEVの真上から見た写真を公表。1名乗りのシティコミューター、小型3ドアハッチバック、小型2ドアクーペ、中型ミニバンと、それぞれボディタイプの違うEVであるのが確認できる。

 5月6日、ルノーは『カングーBeBop』をベースにしたEV、『カングーBeBop Z.E』を公開し、2012年の市販に向けた実証実験をスタート。日産も8月2日、新型EV『リーフ』を発表し、2010年度後半の発売を宣言したばかりだ。今回のフランクフルトで一気に4台ものEVコンセプトを発表する背景には、EV市場でイニシアティブを取ろうという、ルノー日産連合の強い意思が感じられる。

 4台のEVコンセプトは、現地時間15日の10時45分に初公開。果たして、ルノーのカルロス・ゴーン会長兼CEOによって披露されるEVは、どんなモデルになるのか!?

2009年9月10日木曜日

SクラスプラグインHV登場…燃費31.25km/リットル!

 ダイムラーは10日、15日に開幕するフランクフルトモーターショーでコンセプトカー『ヴィジョンS500プラグインハイブリッド』を初公開すると発表した。次期『Sクラス』のハイブリッド技術を搭載した先行テスト車で、欧州複合モード燃費31.25km/リットル、CO2排出量74g/kmという驚異的な環境性能を実現する。

 ダイムラーは今年4月、ニューヨークモーターショーでメルセデスベンツ『S400ハイブリッド』を発表した。最大出力279ps、最大トルク35.7kgmの「S350」用3.5リットルV6ガソリンエンジンに、最大出力20ps、最大トルク16.3kgmのハイブリッドモジュール(小型モーターなど)を追加したシステムを搭載。アイドリングストップ機能や回生ブレーキも装備された。

 S400ハイブリッドは、欧州複合モード燃費12.7km/リットル、CO2排出量186g/kmを達成。日本でも9月3日に『Sクラスハイブリッドロング』(1405万円)として発売されたばかりだ。

 ヴィジョンS500プラグインハイブリッドは、次期『Sクラス』のハイブリッド仕様の先行実験車。S400ハイブリッドのシステムをベースにしながら、さらなる燃費向上とCO2削減に取り組んでいる。

 エンジンはガソリン3.5リットルV6だが、次世代の直噴システムを採用する点が特徴。コンパクトなモーターがエンジンと7速AT「7Gトロニック」の間にレイアウトされるのはS400ハイブリッドと同じだが、ハイブリッドモジュールは最大出力60ps、最大トルク25.5kgmまで出力が高められている。

 S400ハイブリッドとの最大の違いは、2次電池の容量にある。リチウムイオンバッテリーを搭載するのは両車の共通点だが、その蓄電容量はS400ハイブリッドの0.9kWhから10 kWhに引き上げられた。そのため、2次電池の搭載位置は、エンジンルームからトランク床下に変更されている。

 ヴィジョンS500プラグインハイブリッドは、バッテリー大容量化の恩恵で、最大30kmをモーターだけでゼロエミッション走行可能。トヨタが今回のフランクフルトで公開する『プリウスプラグインハイブリッドコンセプト』のモーターだけの走行可能距離が20kmだから、S500プラグインハイブリッドは、プリウスの1.5倍をEV走行できる計算だ。

 また、S500プラグインハイブリッドは、家庭用コンセントから充電できるプラグインハイブリッド車という点も大きな特徴。充電時間は家庭用コンセントで約4.5時間、急速チャージャーを使用すれば約1時間で完了する。トランクには小型のオンボードチャージャーを搭載し、充電をサポート。もちろん、アイドリングストップ機能や回生ブレーキも装備されている。

 ヴィジョンS500プラグインハイブリッドの凄さは、動力性能と環境性能を高次元で両立している点にある。0 ‐ 100km/h加速は5.5秒で駆け抜け、そのままリミッターが作動する250km/hまで加速。それでいて、欧州複合モード燃費は31.25km/リットル、CO2排出量は74g/kmだ。最大30kmをEV走行できることが、この数値に反映されている点に考慮する必要はあるが、それでも大型高級サルーンとしては超優秀な燃費とCO2排出量といえるだろう。

 ダイムラーは、「ラグジュアリーサルーンセグメントのガソリン車で最も燃費性能に優れる。このセグメントで初の“3リッターカー”(100km走行して消費する燃料が3リットル)」と自信をのぞかせる。

 ヴィジョンS500プラグインハイブリッドの技術の多くが、次期Sクラスに搭載されるのは確実。「世界の高級車の指標」とされるSクラスだけに、次期型は再び世界を驚かせることになりそうだ。

「新世代カー」減税へ

●13年度まで5年間 本格普及後押し
 家庭電源からの充電で走る「新世代自動車」の本格的な普及に向け、県は対象車の自動車取得税や自動車税を減免する条例案を9月議会に提出した。

 対象となるのは、充電したバッテリーだけで動く電気自動車(EV)と、家庭電源で充電できるモーターとエンジンを備えたプラグインハイブリッド車(PHV)で、普通のハイブリッドカーは対象外。2013年度までの5年間、自動車取得税と自動車税のうちEVは全額、PHVは半額が免除される。

 県内では7月から柏崎市でEVのタクシーが運行を開始。年内に県や同市、佐渡市などの公用車で10台程度の対象車の導入を見込んでいるが、一般車両での対象車の登録数はほとんどないという。普及が進むのは、一般向けの販売が本格化する来年以降になりそうだ。県は、2013年度までに県内でEVとPHV計約5400台が普及するという環境省の試算をもとに、総額で2億円強の減税になると見込んでいる。

 「新世代自動車」の普及には、ガソリンスタンドなどで利用する急速充電器の普及が欠かせない。まだ県内では設置されていないが、県は6月補正予算で急速充電器の普及助成費として約8千万円を計上。県は早ければ月内にも助成制度を始め、経済産業省のEV普及モデル地域になっている柏崎市や刈羽村、佐渡市を中心に、本格的な普及に乗り出す。

2009年9月8日火曜日

インドから2台の新型EVが登場

 インドのREVAエレクトリックカー社は7日、15日に開幕するフランクフルトモーターショーで、2台の新型EVを公開すると発表した。

 インド・バンガローに本拠を置くREVA社は、すでに『G-Wiz』という小型EVを世界24か国で販売中。すでに3000台以上をデリバリーし、総走行距離は7000万kmを超えている。

 REVA社は、今年のフランクフルトで欧州M1セグメントに属する2台の次世代小型EVを披露する。1台は写真の『NXR』。3ドアハッチバックボディの4シーターEVだ。REVA社によると、2010年から生産を開始するという。

 もう1台は『NXG』。写真は公表されていないが、2シーターの脱着式タルガルーフを装備したスポーツタイプのEVだ。デザインはインドDCデザイン社のDilip Chhabria 氏が担当。2011年から生産を始める計画である。

 さらに、REVA社はフランクフルトの会場で、世界初の「REVive」システムを発表予定。これは、携帯電話またはメールで、EVの充電依頼ができるという画期的なシステムだ。REVA社は「遠隔操作によって充電を行う」と説明するが、その詳細は現時点ではまったく不明である。

 2台の新型EVと革新的な充電システムは、ショー2日目の16日にベールを脱ぐ。フランクフルトモーターショーのREVAブースは、かなり注目度が高そうだ。

2009年9月7日月曜日

プジョー、ディーゼルハイブリッドをアピール

 プジョーは7日、15日よりドイツで開催されるフランクフルトモーターショーでの出展概要を発表した。同社が得意とするディーゼルエンジンをベースとした「ディーゼルハイブリッド」技術を全面にアピール、ハイライトとして2台のハイブリッドコンセプトカーを披露する。

 プジョーは、ディーゼルエンジン用粒子状物質排出除去フィルターを考案、これまで210万台以上のディーゼルエンジン車を販売している。欧州では同分野での主導的な立場に立ち、24車種で1kmあたりのCO2排出量130g未満を実現した。現在はさらなる低排出ガス、CO2排出量低減を目的として、電気モーターを組み合わせたディーゼルハイブリッド技術の開発を進めている。

 今回ワールドプレミアとなるディーゼルハイブリッドは『3008 HYbrid4』と『RCZ HYbrid4』の2台。3008は、ミニバンでありながら走りの楽しさを追求したモデル。搭載されるディーゼルハイブリッドエンジンは、同等クラスと比較し約35%ものCO2排出をおさえる事ができる。また、環境負荷が低く、静粛性の高い「排出ガスゼロ(ゼロエミッション)」モードも備える。

 RCZは、3008と同様のディーゼルハイブリッド性能に加え、新開発の147kW(200bhp)を発生する1.6リットルディーゼルハイブリッドエンジンを搭載する。オリジナリティあふれる外観同様、ダイナミックな走りを楽しむ事ができるモデルだとしている。


 プジョーは今回のフランクフルトショーで全32モデルを展示する。「今後のモビリティについて根本から見つめ直し、運転の楽しさと環境効率を融合させる希望と実力を改めて明確に示す」として、プジョー独自のエレガンス、創造性、技術的性能、コンセプトの革新性をアピールする。

メルセデス・ベンツ「S400ハイブリッド ロング」を発売

 メルセデス・ベンツ日本は、輸入車初のハイブリッドカーとなる「S400ハイブリッド ロング」を発売した。

 同車は、2トンを超える車重のクルマながら、ハイブリッドメカニズムによって10・15モード燃費が1リッターあたり11.2kmを記録している。ハイブリッドカーであるため、購入時にエコカー減税が適用され、重量税、自動車取得税が全額免除となるのも見逃せないポイント。

 現在市販されている多くのハイブリッドモデルは、リチウムイオンバッテリーなどを床下やトランク周辺に搭載して電気モーターを駆動しているが、S400ハイブリッドロングは、エンジンルームにコンパクトなリチウムイオンバッテリーを搭載している。

 また、ハイブリッドドライブを制御するモジュールもコンパクトな設計で、薄型のモーターとの併用によって従来のエンジンルーム内にメカニズムを納めているのだ。

 搭載エンジンは最高出力279馬力の3500ccv6で、組み合わされる電気モーターは20馬力を発揮する。この2種類のパワートレインを合計したシステム最大出力は299馬力となっており、ハイパワーが必要な場合には、エンジンパワーをアシストするブースト機能が作動してパワフルな走りを実現するように設計されている。

 また、減速時には回生ブレーキが作動して充電を行うほか、速度が時速15km以下になるとエンジンが停止するECOスタートストップ機能も搭載する。

 価格は1405万円(税込)。なお、現時点では左ハンドル仕様のみの発売となる。

2009年9月4日金曜日

【Sクラス ハイブリッド 日本発表】エコカーとしての実力は?

 メルセデスベンツ『Sクラスハイブリッド』の走りで特徴的なのは、「ブースト」機能と「ECOスタートストップ」機能だ。

 ブースト機能は、加速時にモーターが補助をすることで、燃料消費を抑えながらパワフルな加速を実現するもの。まるでターボのようにモリモリと湧き出るようなトルクが感じられることから名付けられたのだろう。

 ECOスタートストップ機能は、減速時に15km/h以下となると、アイドリングをストップさせて、クルマが停止後に発進する際、モーターで走り出しながらエンジンをスタートさせる。

 減速時は軽くブレーキペダルを踏むと、まず回生ブレーキが働いて慣性エネルギーを電気エネルギーとして蓄える。さらにブレーキペダルを強く踏むとブレーキが作動する。

 通常のガソリン車でも減速時は燃料カットが働いている。しかしアイドリング付近にまで回転数が落ちると、ストールを防止するために燃料を噴射しているのだ。ECOスタートストップ機能は通常の燃料カット領域を超えて完全に停止するまで燃料を一切噴射することがない。次に発進する時まで燃料をセーブするのだ。

 一方、トヨタ『プリウス』やレクサス『LS600h』などにあるEVモードは、このクルマには存在しない。同じパラレル式のホンダ『インサイト』も低負荷時にはモーターだけで走行することはできるが、Sクラスハイブリッドの場合インサイトのようにモーターだけで走行させるにはエンジンの抵抗も大きく、ボディも重いため、モーターやバッテリーの能力がさらに必要となる。そうするとガソリン車との共用部分は少なくなり、車両価格も跳ね上がることになる。

 そう考えれば、EVモードを採用せず、コンパクトなハイブリッドシステムにまとめたのは合理的だということが分かる。燃費のカタログデータを見ても効果は明らかだ。Sクラスハイブリッドは「S350」に比べEUの排出ガス測定サイクルでも28%燃費が向上しており、10・15モードでは33%に拡大する。日本での実燃費ではさらに差が開くことになるだろう。

 ちなみに今回のマイチェンでSクラスは電動パワステとなったが、Sクラスハイブリッドはエアコンのコンプレッサーも電動。だからアイドリングストップでも十分に快適性は確保されている。

アウディ、2015年にも電気自動車発売へ

 独高級車メーカー、アウディの日本法人アウディ・ジャパンは、2015年にも日本で電気自動車(EV)を発売する方針を固めた。

 同社のドミニク・ベッシュ社長が読売新聞のインタビューで「(親会社の)アウディが欧州などで発売した後、日本市場に出来るだけ早く投入する」と述べた。海外の主要メーカーで日本でのEV販売を表明したのは初めてだ。

 独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)傘下のアウディは、VWとは別にエコカーの研究開発を進めている。欧州では15年にEV発売を計画しており、「エコカー先進国」とも言われる日本市場にも投入する必要があると判断した。アウディは日本でのEV投入に先立ち、10年に窒素酸化物など排ガスに含まれる有害物質を極限まで取り除いた「ウルトラ・クリーン・ディーゼル車」を、12年にはハイブリッド車も発売する。

2009年9月3日木曜日

Renault社が新型セダン「Fluence」を発表、2011年にEVモデルを追加

 フランスRenault社は、新型セダン「Fluence」を発表した。
 トルコのBursaにあるOyak-Renault工場で生産し、2009年秋にロシア、ルーマニア、トルコで発売する。

 同社は2004年にコンセプトカー「Fluence」を発表したが(関連記事)量産化には至らず、今回の新型車が車名のみ継承した。Fluenceは2011年に電気自動車(EV)を追加する予定。同社は、2011年にセダンのEVを欧州とイスラエルに投入する計画を発表していた(関連記事)。

 車両寸法は、全長4620×全幅1809×全高1479mmで、ホイールベースが2702mm。ひじ位置での室内幅は、前席が1480mm、後席が 1475mmで、競合車より広いという。荷室容量は530L。室内には、9Lのグローブボックスと2.2Lのセンターコンソールなど、合計23Lの収納スペースがある。

2009年9月2日水曜日

トヨタ プリウス 新型のプラグインHV仕様

 欧州トヨタは、新型『プリウス』ベースの「プラグインハイブリッドコンセプト」を、フランクフルトモーターショーで初公開する。家庭用コンセントから充電できるプラグインハイブリッド車で、欧州では2010年の初めから、150台をリース販売する計画だ。

 欧州トヨタは5月14日、2010年の初頭からフランス北東部のストラスブールで、約150台の新世代プラグインハイブリッド車をリース販売すると発表。トヨタは2007年からフランス電力公社のEDFと協力して、先代プリウスのプラグインハイブリッド車の実証テストを行ってきた。そのノウハウが新型プリウスのプラグインハイブリッド車に生かされている。

 新型プリウスのプラグインハイブリッド車は、2次電池を従来のニッケル水素からリチウムイオンバッテリーに変更。短距離の市街地走行は基本的にモーターのみで走行するEVとし、高速道路や長距離走行では、エンジンとモーターを併用するフルハイブリッド車となる。

 プリウスは走行中にも充電を行うが、プラグインハイブリッド仕様では、家庭や会社、公共施設などのコンセントからも充電が可能。トヨタによると、市販のプリウスよりも、EVモードでの走行時間が長くなるため、CO2排出量をさらに削減できるという。

 プリウスのプラグインハイブリッドコンセプトは、15日に開幕するフランクフルトモーターショーで正式発表。トヨタブースでは『オーリス』のハイブリッド仕様車、「オーリスHSD」とともに、主役を務めることになる。

メルセデスベンツ、究極のプラグインハイブリッド公開…航続600km

 ダイムラーは2日、メルセデスベンツ『ブルーゼロE-CELLプラス』の先行量産モデルを初公開した。家庭用電源から充電できるプラグインハイブリッド車で、最大約100kmをモーターだけでゼロエミッション走行。バッテリー残量が少なくなると充電専用のエンジンが始動し、航続距離は約600kmまで伸びる。

 ダイムラーは1月のデトロイトモーターショーに、3台の『コンセプトブルーゼロ』を出品。次期『Bクラス』を示唆したコンセプトカーと見られ、サンドイッチフロア構造の床下にリチウムイオンバッテリーなどの駆動装置を収めることで、同一ボディを使用しながら3種類のパワートレインを搭載するという離れ技をやってのけた。

 コンセプトブルーゼロのパワートレインは、モーター、モーター+エンジン、モーター+燃料電池の3種類。車名はEV仕様が『コンセプトブルーゼロE-CELL』、ハイブリッド仕様が『コンセプトブルーゼロE-CELLプラス』、燃料電池仕様が『コンセプトブルーゼロF-CELL』だった。ボディサイズは全長4220×全幅1890×全高1590mmだ。

 今回、ダイムラーが発表したのは『コンセプトブルーゼロE-CELLプラス』の進化形。1月のデトロイトのモデルよりも各部を熟成させ、市販直前のプレプロダクションモデルが完成した。

 ブルーゼロE-CELLプラスは、GMのシボレー『ボルト』と同様に、基本はモーターで走行するEV。充電専用のエンジンも搭載しており、バッテリー残量が少なくなると、エンジンを回して充電を行う。GMはボルトを「エクステンデットレンジEV」と呼ぶが、ダイムラーはブルーゼロE-CELLプラスを、「レンジエクステンダー」と名づけている。

 システムの核となるのは、小型モーター。最大出力136ps、最大トルク32.6kgmを発生するモーターをフロントアクスルに搭載。2次電池は蓄電容量18kWhのリチウムイオンバッテリーで、0‐100km/h加速11秒以下、最高速度150km/h(リミッター作動)の実用性を確保した。

 モーター単独での最大航続距離は約100kmだが、バッテリー残量が少なくなると充電専用のエンジンが始動。このエンジンはスマート『フォーツー』用の1.0リットル直3ターボ(68ps)で、ジェネレーターを回してモーターに電力を供給するとともに、バッテリーの充電を行う。この結果、最大航続距離は約600kmまで伸びる。欧州複合モード燃費は26.4km/リットル、CO2排出量32g/kmと環境性能は非常に優秀だ。

 ブルーゼロE-CELLプラスは、家庭用コンセントからも充電可能なプラグインハイブリッド車。欧州で一般的なコンセントなら、約6時間で充電は完了する。また欧州の市街地に設置される急速充電器にも対応しており、50km程度の航続距離の容量をチャージするなら、約30分でOK。フル充電でも約1時間という実用性を備えている。

 室内は2重フロア構造のおかげで、居住スペースはまったく犠牲にしておらず、大人5名が乗車できる空間を実現。荷室容量も500リットル(VDA計測法)と使い勝手に優れる。

 ブルーゼロE-CELLプラスは、15日に開幕するフランクフルトモーターショーで正式発表。ダイムラーは2010年に市販バージョンを公開する見込みだ。今年のフランクフルトには、トヨタも新型『プリウス』のプラグインハイブリッド仕様を出品することになっており、環境対応車の覇権争いがいっそう激しさを増すことも予想される。

コンパクトHVのレクサスLF-Ch初公開

 トヨタ・モーター・ヨーロッパは、9月15日に開幕するフランクフルト国際自動車ショーにおいて、レクサス・ブランドから世界初公開するプレミアム・コンパクトのコンセプトカーの車名が“LF-Ch”であることと、このコンセプトカーがフルハイブリッド・システムを搭載していることを明らかにした。


 LF-Chは、EV走行も可能なフルハイブリッド・システムを搭載した、スタイリッシュなコンパクト5ドア・ハッチバックのコンセプト。プレミアム・ブランドで唯一フルハイブリッド車をラインアップするレクサスのポジションを強固にするとともに、プレミアム・コンパクト・セグメントの顧客ニーズを満たすモデルだという。

 また、今回のフランクフルトショーでは、内外装デザインを刷新したほか、装備のアップデートや新デザインのシート採用、走行性能向上などの改良を受けた新型LS460や、専用内外装デザインの採用やパッケージング改善、ハイブリッド・システム改良を受けた新型LS600hも初公開。GSおよびIS、IS・Fの2010年モデルも初公開となる。