2009年8月27日木曜日

ベンツのHVは1405万円 高級市場に切り込み

 メルセデス・ベンツが、外国車メーカーとして初めて国内投入するハイブリッド車(HV)の価格を1405万円に設定したことが27日、分かった。トヨタ自動車のレクサスが独占する高級HV市場に切り込み、環境志向の高い富裕層を取り込む。200万~300万円程度の低価格HVをめぐっては、すでにトヨタとホンダが火花を散らしているが、高価格帯にも複数のプレーヤーがそろうことで、HVをめぐるメーカー間の争いが本格化しそうだ。

 ベンツのHVは、最上級セダン「Sクラス」に導入される。総排気量は3500ccで国内発売は9月3日。欧州へは今年6月に投入されている。環境車を優遇する日本政府のエコカー減税については、「現在、適用を申請中」(日本法人)としている。

 1405万円という価格は、現行Sクラスの価格帯(1041万~2026万円)の中程度にあたる。国内で競合する高級HVは現在、レクサスの「LS600h」「LS600hL」(973万~1510万円)のみだ。

 メルセデスの日本法人関係者は「新技術は上級モデルから投入するのがメルセデスの伝統だ」とするが、同社としては、販売が落ち込む中、次世代エコカーの主流であるHVを投入することで高い技術力をアピールし、回復につなげたい考えだ。

 メルセデスは今後、ほかのモデルにもHVを導入する考え。他の外国車ではBMWも、平成22年からHVの国内受注を開始するとしている。