2009年8月4日火曜日

BMWとGMの電気自動車、韓国製電池で走る

 独自動車メーカーのBMWのヘルベルト・ディース購買担当社長が3月に初めて訪韓し、「韓国の自動車部品のうち特にリチウム電子が強い」と評価した。部品メーカー10社あまりとリチウムイオン電池を作る三星(サムスン)SDI、LG化学などを視察した後のこと。それから5カ月後、BMWは来年から生産する電気自動車にバッテリーを単独で納品するメーカーとして三星SDIと独ボッシュの合弁会社を選定した。

 これに先立ち1月にLG化学は米ゼネラルモーターズ(GM)が生産する電気自動車「シボレー・ボルト」向けにリチウムイオン電池を納品することで合意している。来年から6年間にわたり、毎年1兆ウォン(約783億円)相当を供給するものと業界は推定している。LG化学は現代(ヒョンデ)・起亜(キア)自動車と自動車用リチウムイオン電池を共同開発し、すでに市販中の液化石油ガス(LPG)ハイブリッドカーに搭載している。

 いつの間にか大きくなった韓国のバッテリーの力はなんだろうか。基本技術の劣勢を素早い意思決定と強固なIT応用インフラで克服し、新たな分野を先取りしたおかげだとみられる。三星経済研究所のイム・テウン首席研究員は、「日本が他の分野のように早くから二次電池の基本技術を大挙確保したが、韓国の業界は自動車電池の未来をまず読み、開発に集中した結果、この分野の中心地に浮上した」と評価する。日本が携帯電話やノートパソコンなど小型IT機器用リチウムイオンバッテリーの強者なら、韓国はこの技術を活用して効率のよい自動車用バッテリー開発に昇華させたということだ。

 電気自動車用リチウムイオン電池は長持ちし軽くなくてはならない。リチウムイオン電池の大きな弱点だった爆発の可能性をなくさなくてはならない。BMWは「三星SDIのリチウムイオン電池が競合メーカーの製品より容量が大きく安全性が立証された」と評価している。

 電気と化石燃料をともに使うハイブリッドカー、電気だけで動く電気自動車の核心技術はすべて二次電池だ。JPモルガンなどによると、電気自動車用リチウムイオン電池市場も今年の1億8000万ドルから2020年には159億ドルに拡大するものとみられる。

◆二次電池
一度しか使用できない電池と違い再充電して使える。蓄電池または充電式電池ともいう。初期には自動車の始動用などで鉛蓄電池が広く使われた。これより効率が良く寿命の長いニッケルカドミウム、ニッケル水素電池が登場し、デジタルカメラや携帯プレーヤーなどに使われ初めた。最近では携帯電話やノートパソコン用に主に使われていたリチウムイオンまたはリチウムポリマー電池がモバイル機器だけでなく電気自動車用として進化している。