2009年11月5日木曜日

入場者100万人割れ 東京モーターショー

 千葉市の幕張メッセで開かれていた第41回東京モーターショーは4日、閉幕した。13日間の会期で入場者数は61万4400人となり、32年ぶりに100万人を割り込んだ。景気の低迷で海外の主要メーカーが参加を見送り、出展企業・団体数が113と過去最小規模となったことが響いた。国内市場の縮小が続く中、今後のショーのあり方が問われそうだ。

 東京モーターショーは1954年に始まり、ピークの91年には200万人以上が訪れた。しかし、不況が直撃した今回は前回(2007年)より出展者数、展示面積ともに約半減。出展メーカーも経費節減で演出を簡素化した。

 主催者の日本自動車工業会(自工会)は次世代車を含む最新モデルの試乗会などを企画し、盛り上げを図ったが、入場者数は前回比56・9%減となり、目標の100万人に届かなかった。

 ただ、今回世界初公開された41台のうち、19台が電気自動車やプラグインハイブリッド車などのエコカー。環境分野で一定の成果を挙げたのは確かだ。自工会は「日本が環境技術でトップランナーであることを発信できた」と11年秋の次回開催を予定する。

 自動車メーカー首脳は「商売に直結したショーとなると、中国のショーの比重が高くなる。東京は数を競うのではなく、将来の方向性を出していく場にしていけばいい」と述べ、今後も開催意義はあると強調する。

 一方で、会場で来場者の人気を集めたのはスポーツカー。来場者からは「エコばかりではつまらない」との声も聞かれ、主催者の思惑と自動車ファンの希望がうまくマッチするかも鍵となりそうだ。