経済産業省は将来的に国民生活で排出される二酸化炭素(CO2)の量がゼロになる社会の実現を目指し、2009年度から複数の地域で大規模実験に乗り出す。水素を家庭で利用するためにパイプラインで集合住宅に送ったり、燃料電池車向けに高速道路に水素ステーションを設置したりするのが柱だ。必要な予算を09年度補正予算案に盛り込む。
水素は燃やしてもCO2を排出しないため、次世代エネルギーとして期待されている。日本は温暖化ガス排出量を2050年に現状比60―80%減らす計画で、実験を通じて水素の活用に向けた課題を探る。