日立製作所は出力が現行製品の7割増と世界最高性能のリチウムイオン電池を開発した。発進時に高出力が求められるハイブリッド車向けで、一段の小型・軽量化が可能になる。量産技術の開発などを進め、2010年代半ばに商業生産の開始を目指す。
開発したリチウムイオン電池は、出力密度(重量1キログラム当たりの出力)が4500ワット。日立が現在販売している電池に比べ1.7倍、来年量産予定の最新型電池と比べても1.5倍の出力となる。
日立のリチウムイオン電池は正極に安価で資源制約の少ないマンガン素材を使用。材料の配合などの工夫で出力向上にめどをつけた。寿命も現行の1.2倍と、クルマ自体とほぼ同じ10年程度は使用可能という。
日立研究所での研究開発から、今後は製造子会社の日立ビークルエナジーでの試作段階に移行。製品化の準備を進め、世界の自動車メーカーに採用を働きかける。
日立は2000年に世界で初めて車載用大型リチウムイオン電池の量産を開始。これまで60万個の生産実績を持つ。