2010年1月15日金曜日

【東京オートサロン10】開幕、カスタムカーにもエコの流れ

 15日、千葉・幕張メッセでカスタムカーの祭典東京オートサロンが開催した。会場ではエコカーブームに乗り遅れまいとハイブリッドカー『プリウス』や『インサイト』などのカスタムカーを展示するショップもみられた。

 開幕に合わせて、トヨタブースでは豊田章男社長が「クルマを愛する人たちが集まるこのイベントは、私の大好きなものです」とコメント、イベントを通してクルマ業界を盛り上げていきたいと挨拶し、クルマの楽しさを追求したコンセプトモデルなどを紹介した。

 トヨタブースでは、『MR-S』をベースにハイブリッドシステムを搭載した「スポーツハイブリッドコンセプト」や2BOX車に後輪駆動を採用した「FRホットハッチコンセプト」、さらに、09年の東京モーターショーに出展した『FT-86コンセプト』にターボを装着したエボリューションモデル『FT-86 G Sports Concept』のなどのコンセプトモデルを展示。

 厳しい経済環境のせいか、メーカーとして参加したのは、トヨタ、日産、ホンダ、の3社となってしまったが、トヨタでは9台ものコンセプトモデルを投入してくるなど、意気込みの強さが伺える。

 カスタムの世界でもエコを取り入れようという姿勢があちらこちらでみられ、会場からは「東京モーターショーよりおもしろい」との声が聞こえていた。

2010年1月1日金曜日

EVの充電待ち渋滞防止、「空き」ナビに表示

 新日本石油は31日、青森県などと共同で、ガソリンスタンドに設置した電気自動車(EV)用の充電器が利用可能な状態にあるかどうかを、ドライバーにカーナビゲーションシステムで知らせる実証実験を1月上旬から始めることを明らかにした。

 充電器が利用中かどうかが一目で分かるようにして「充電待ち渋滞」をなくし、EVの普及拡大を目指す。

 実証実験は国が青森県で実施しているEV充電サービスの実証事業の一環だ。新日石と青森県のほか、日本ユニシスが参加する。

 カーナビの地図上に、充電器が置かれている青森市内のガソリンスタンドなどの施設を表示し、充電器が利用中の場合は、マークの色が変わる。EVのドライバーは、最寄りの空いている充電器を簡単に探すことが出来る仕組みだ。

 EVは、ガソリン車より走行距離が短いため、充電する機会が多い。充電には急速タイプでも10分以上かかるため、充電待ちの渋滞などが起きれば、EVの普及を妨げる懸念も出ていた。

2009年12月30日水曜日

「電動スクーター」大手も参入 家電店にズラリ並ぶ日

 車にも「エコ」の波が押し寄せている。トヨタのハイブリッドカー・プリウスは新車販売台数でも絶好調。電気自動車(EV)も三菱自動車「i-MiEV(アイミーヴ)」を始め、各社の開発が進められている。そんな中、2輪車でも「電動スクーター」が普及のきざしを見せ始めている。来2010年には中小企業が販売攻勢に意欲をみせ、大手企業も参入する計画を明らかにしている。

 電動スクーターは、電気自動車の2輪車版だ。動力源に充電式電池を用い、モーターで動く。通常の2輪車と違い、エンジンを搭載せず、ガソリンも不要なため、オイルやフィルターの交換などの手間もかからない。ほとんどが原付免許または普通運転免許で運転できる。

ペダルのついたモデルも

 現在電動スクーターを積極的に販売しているのは中小企業だ。イーモービルは07年頃から新型の電動スクーター「カルマート」を販売している。最高時速が約50kmで、1充電での走行距離(航続距離)は最大で60kmと、ガソリンのスクーターとも遜色のないパワーと性能を備えている。

「来年は大々的に展開するつもりです。販売店・代理店などのチャネルを全国に増やしていきます」

 と担当者は話す。整備が簡単なため、車の専門店でなくとも扱える。具体的には明かさなかったが、来年は家電製品を扱っているような「2輪車を売るのが意外と思えるような店」でも販売を始めるという。現在約18万円の価格も、学生など「エコ」に関心ある若い世代に興味を持ってもらえるよう「思い切った価格」に下げ、値ごろ感とともに攻勢をかける構えだ。

 家庭用電源で充電できるスクーター「EV-R55」を09年3月から販売しているプロスタッフは、10年春から新しい電動スクーター「ミレット」を売り出す。ユニークなのは自転車のような「ペダル」がついているところ。

「万一バッテリーが切れたり、急勾配の坂道を登ったりする時のため、ペダルを付けました。足りないところを人が補おう、という発想です」(担当者)。

 価格も13万円と手ごろで、しかも約59kgと軽量だ。

電池の値段が課題

 そんな中、「東京モーターショー09」には、大手企業からも電動スクーターが出展された。ヤマハは「EC-03」「EC-f」「EC-fs」の3つのモデルを披露。そのうち「EC-03」は10年夏の発売が決まっている。

「通常、2輪車の展示にはコアなファンが多いのですが、今回のショーでは女性など新しい層にも興味を持ってもらうことができました」
と担当者は手ごたえをつかんでいる。また、ホンダからもコンセプトモデル「EVE-neo」が出展された。発売は決まっていないが、「一般向けの市販化を目的に開発を進めています」と担当者は語る。

 次世代自動車振興センターの担当者は、普及への課題についてこう話す。

「充電池として使用されるリチウムイオン電池はまだまだ高価。これが量産されることで価格が下がり、かつ航続距離などの性能が上がれば、本当に手軽で便利な乗り物になると思います」

 同センターの電気自動車等統計によると、電動スクーターの保有台数(推定値)は08年で6604台。10年に一気の普及となるか、注目だ。

2009年12月24日木曜日

豊田自動織機、太陽光発電によるEV・PHV向け充電ステーションを開発

 豊田自動織機は24日、電気自動車(EV)や家庭用コンセントで充電可能なプラグインハイブリッド車(PHV)に、太陽光で発電した電力を供給することができるソーラー充電ステーションを開発したと発表した。

 愛知県の豊田市役所や駅前など市内11ヵ所に21基の充電施設が設置される予定で、豊田市が導入するトヨタの次世代エコカー「プリウス プラグインハイブリッド」20台とともに、2010年4月から運用が開始される。

 今回開発したソーラー充電ステーションは、太陽光発電システムと蓄電設備を備え、電力会社の商用電力系統とも連系している。蓄電設備の電力がなくなると商用電力から車両へ充電するため、天候や時間帯に関係なく安定的に充電を行うことが出来る。

 豊田自動織機は、1990年代からトヨタの電気自動車用充電器の開発を手がけており「RAV4EV」や「e-com」などの電気自動車用充電器を開発している。

2009年12月22日火曜日

スイスからEVスポーツコンセプトの進化形

 スイスのProtoscar社は21日、2010年3月のジュネーブモーターショーに、コンセプトカー『LAMPO2』を出品すると発表した。昨年のジュネーブで公開したEVスポーツの発展形である。

 Protoscar社は1987年に設立されたデザインエンジニアリング会社。ポルシェ『911』をベースにしたシューティングブレークを発表するなど、その独自の感性には定評がある。全社員14名の小さな会社だが、過去にはダイムラー、GM、日産などともジョイント。2009年3月のシュネーブモーターショーでは、イタリア語で稲妻や閃光を意味するEVスポーツカーコンセプト、LAMPOを発表した。

 2010年のジュネーブには、その進化形のLAMPO2を出品。軽量化やエアロダイナミクス向上に取り組み、市販を想定したコンセプトカーを提案する。

 モーターはさらに性能アップ。フロントモーターが前輪、リアモーターが後輪を駆動する4WDで、最大出力354ps、最大トルク61.2kgmを発生する。2次電池は蓄電容量30kWhのリチウムイオンバッテリー。最大航続距離は約200kmだ。4つの充電モードを備え、クイックチャージモードなら、100km走行分の電力を約10分で充電できる。0 - 100km/加速は5秒、最高速は200km/hの実力だ。

 Protoscar社は、新型のイメージイラスト1点を公開。前作のLAMPO同様、2シーターのオープンスポーツとなるようだ。チューブラースチールのシャシーに、カーボンファイバーコンポジットのボディを組み合わせた軽量構造にも、いっそうの磨きがかけられると推測される。

BMW、「1シリーズクーペ」をベースとしたEVをデトロイトモーターショーで公開

 BMWは、2010年にデトロイトで開かれる北米国際モーターショーで「1シリーズ クーペ」をベースにした電気自動車のコンセプトカー「BMWコンセプト・アクティブE」を公開する。

 BMWコンセプト・アクティブEは、MINI Eに続き、BMWグループがプロジェクトiの一環として開発した2台目の車両となる。

 BMWコンセプト・アクティブEには、専用に開発された新しい同期電気モーターが搭載される。最高出力は125kW(170bhp)で、最大トルクは250Nm。

 蓄電ユニットには、BMWグループとパートナー企業のSBリモーティブ社が、当車両専用として共同で開発した新しいリチウム・イオン・バッテリー・パックを初めて採用。通常の内燃エンジン車で、これまでパワートレインと燃料タンクに使われていた空間には、蓄電ユニットが搭載される。

 BMWで予想する性能値は、0-60km/h加速が4.5秒以内、0-100km/h加速が9秒以内。最高速度は約145km/h(リミッター制御)。1回の充電での航続距離は、MINI Eと同じく、条件次第で約160kmを見込んでいるという(FTP72サイクルによる航続距離は240km)。

ボルボ、「C30」のEVをデトロイトモーターショーで発表

 ボルボ・カー・コーポレーションは、2010年1月のデトロイトモーターショーで、ボルボ「C30」の電気自動車を発表する。

 今回発表されるのは、2009年9月に発表したプロトタイプとは異なり、テスト車両を50台製造し内装・計器類をフル装備するとともに、バッテリーのパッケージングを見直している。

 電気モーターはボンネット下に搭載。重量280kgのバッテリーは、乗員の居住空間やクラッシャブル・ゾーンから離すため、プロペラシャフト内と通常燃料タンクがある場所に設置する。さらに、モーターとバッテリーはカプセルに入れられ、強固なボディー構造で守られていると言う。これにより、従来のボルボC30と同等の安全性、快適さ、そして車内の広さを実現したとしている。

 電気モーターは最高出力82kW(111bhp)で、0-100km/h加速は10.5秒。最高速度は約130km/hとなる。バッテリーはリチウムイオン電池を使用し、充電時間は欧州の一般的な家庭用電源(230V、16A)で充電した場合8時間以下で、航続距離は150kmとなっている。

 内装は、運転席正面の計器類が一新された。計器盤に表示されるのは速度と消費エネルギーのみ。これ以外のバッテリーの充電残量などの情報は、アイコンで表示される。

 ボルボでは、次のステップとして2010年に工場でテストカーを生産、選ばれたドライバーに2年間運転してもらい、技術面だけでなく日常の使用方法についてもフィードバックを得る予定。またスウェーデン・エネルギー庁は、このプロジェクトに約19億5000万円の援助を行うとしている。