2009年7月31日金曜日

ロータスからEVコンセプト…2014年に発売か!?

 ロータスは英国の自動車メディア『オートモーティブエンジニア』誌の求めに応じて、1台のEVコンセプトカーを発表した。このモデルが非常に斬新な提案を秘めているとして、話題を集めている。

 オートモーティブエンジニア誌は、ロータスに対して2014年のシティコミューターを提案してくれるよう依頼。この申し出を快諾したロータスは、2週間後に1台のデザインコンセプトを提示した。

 それがイメージスケッチの赤いモデルだ。車名はないが、ロータスのデザインチーフ、ラッセル・カー氏、技術ディレクターのサイモン・ウッド氏、車両設計のリチャード・ラックハム氏の3名が中心となってまとめ上げた。ロータスが真剣にこのプロジェクトに取り組んだ様子が伝わってくる。

 コンセプトカーの気になる内容だが、非常に示唆に富んだものだ。まずはパワートレーン。2014年という時代を見越して、当然、EVとなる。しかも、あくまでシティコミューターと割り切り、最小限の動力性能を与えている。

 後席フロア下に置かれるモーターは、最大出力50ps。2次電池はリチウムイオンバッテリーで、前席フロア下にレイアウトし、蓄電容量は10kWhとした。インバーターは、後席乗員の足元下に配置。ボディ下回りには脱着式のアンダーパネルが装備され、空気抵抗を低減する。

 動力性能は最高速105km/h、最大航続距離50kmと、必要十分。航続距離が不足する顧客には、オプションでもう1基の10kWhバッテリーを追加でき、充電時間は13Aプラグで約3.5時間を想定している。

 パワートレーン以上に注目すべきは、そのパッケージングかもしれない。トヨタ『iQ』はもちろん、スマート『フォーツー』よりも短いボディながら、大人4名が乗車できる空間を備えているのだ。

 ボディサイズは全長2600×全幅1600×全高1700mm、ホイールベース1870mm。これはトヨタiQ(全長2985×全幅1680×全高1500mm)よりも385mmも短く、スマートフォーツー(全長2695×全幅1559×全高1542mm)よりも、95mmコンパクト。ちなみに三菱『i-MiEV』と比較すると、795mmも短い。最小回転半径は3.25mで、iQの3.9m、フォーツーの4.375mよりも小回りが効く。

 スマートは2名乗り、iQが大人3名+子ども1名の実質3名乗りであることを考えると、全長2600mmで大人4名乗車を可能にしたロータスEVコンセプトは、革新的なパッケージの持ち主と見ることができる。

 これは、EV専用のアルミ製プラットホームの効果が大きい。プラットホームは前後方向に太さ150mmの2本のレールを置くというシンプルかつ古典的なもの。しかし、2本のレールは複数のフレームと結合しており、ボディは小さくても、高いボディ剛性と衝突安全性を確保できるという。

 ロータスのラッセル・カー氏は、「このプラットホームは荷台のあるトラックなど、さまざまなバリエーションに応用できる」とコメント。さらに、「シンプルな構造ゆえに量産に向いており、10万台規模での量産が可能」と胸を張る。

 もちろん、フロントにエンジンがないEVのメリットを生かして、ノーズを短縮。さらに、シートの配置も工夫することで、大人4名が乗れる室内空間を実現した。モーターやインバーター、バッテリーなどの機器類は床下にレイアウトし、フロアをフラット化。サイドドアは後方ではなく前方スライド式で、後席に乗り込む際には運転席がステアリングホイール下に、もぐりこむように移動し、乗降性を高めている。

 ロータスがEVを開発しているという噂は、長い間囁かれてきた。今回はメディアの取材に応じて、コンセプトカーを提示した形だが、スポーツカーとは異なるロータスの新しい方向性として、注目したい。

電気自動車の充電器普及、日産・東電など連携

 日産自動車、三菱自動車、富士重工業と東京電力が、電気自動車(EV)用の急速充電器の普及加速を狙って連携する。

 EVの普及に欠かせない充電インフラの整備に向け、自動車メーカーと電力会社が互いに技術情報などを持ち寄り、効率的なインフラづくりを目指す。三菱自動車などが今夏からEVの量販を始めており、関連企業の連携でEV普及を後押しする。

 4社が中心となって2009年度内に協議会を立ち上げる。今後、充電器メーカーなどの参加も募り、普及に向けた課題や解決策を話し合う。具体的には制御データをEVと充電器でやり取りする際の通信方法の標準化や、安全技術の確立などを目指す。低コストでインフラ整備を進めるための手法も検討する。

2009年7月30日木曜日

日産 EV…2012年には10万台

 日産自動車は27日、2010年度に発売予定の新型EV(電気自動車)の試作車をマスコミ向けに公開、試乗会を開催した。その外観は市販モデルのコンパクトカー『ティーダ』だが、シャーシやパワートレインはすべて8月2日に公開されるという新型EVの「EV専用プラットフォーム」が使われている。

 試乗会が行われた日産の追浜工場テストコース「GRANDRIVE」では、新型EVのシャーシのカットモデルが展示されていたが、そのサイズはかなり大きく、完全に3ナンバーサイズ。グローバル市場を強く意識した仕様であることをうかがわせるものだった。

 新型EVの駆動方式は電気モーター前置きのFWD(前輪駆動)。モーターは一般的な交流同期モーターで、スペックは最高出力80kW(108馬力)、最大トルク280Nm(28.5kgm)の性能を発揮。最高速度140km/h以上の動力性能を確保する。

 バッテリーは日産とNECグループの合弁会社、オートモーティブエナジーサプライ社製のラミネート型マンガン酸リチウムイオン電池(LIB)で、総電圧は345V、充電可能な電力量は24kWh、普通のクルマではエンジン最大出力に相当するバッテリー出力は90kW以上。航続距離はアメリカの市街地・高速混合モードであるLA4走行時で160km以上とされている。

 日産は2012年に、このEVを北米で年10万台生産する計画を発表している。オバマ政権が推進している再生可能エネルギー推進政策「グリーンニューディール政策」の中には、EVやプラグインハイブリッドカーバッテリーを、風力や太陽光といった再生可能エネルギーによって得られた電力の一時貯蔵場所として利用するというプランがあるが、その中で日産のEVは新技術自動車製造に対するアメリカ政府の助成を受けられることが確定しているという。

 ガソリン車はおろか、ハイブリッドカーよりはるかに高額なEVの大衆車が急に年10万台も売れるようになるのかという疑問はあるが、日産のEV市販プログラムは順調に最終段階に達していると言える。

EV充電設備 京都市第1号

 京都市は29日、東山区役所地下駐車場に開設した、電気自動車(EV)が電気を蓄えることができる〈電気スタンド(充電設備)〉第1号を公開した。市は今年度内に市役所本庁舎やまち美化事務所などで計40基の設置を目指している。

 充電は専用コードをコンセントに差し込むことでできる。今のところ、EVは主に公用車や企業の社用車などとして流通しているため、スタンドを利用できる人は限られているが、一般の人でもEVで訪れれば自由に使うことが出来る。30分で10キロ程度走行する充電が可能という。

 EV啓発のため、8月18日午後4時から京都駅前でPRイベント、9月5日午後1時からは西京極総合運動公園(右京区)でEVの試乗会を実施。また同市では保有するEVの市民とのカーシェアリング(共有利用)も10月頃から予定している。市では、市内の自動車の1割(約6万台)がEVに切り替わることで、年間10万トンの二酸化炭素削減につながると試算している。

2009年7月29日水曜日

世界最速スーパーカーメーカー、ハイブリッド キャンパー開発へ

 米国シェルビースーパーカーズ(SSC)の子会社、SSCグリーン社は、米国のRVシャシーメーカーと協力し、ハイブリッドパワートレーンを載せたキャンピングカーを開発すると発表した。

 SSC社は、米国ワシントン州に1999年に設立。2007年にスーパーカーの『アルティメットエアロ』を発売した。ミッドシップにはGM製の6.3リットルV8ツインターボを搭載。最大出力1183ps、最大トルク151.3kgmというモンスターで、0‐96km/h加速2.78秒、最高速434km/hを達成。あのブガッティ『ヴェイロン』の407km/hを上回り、世界最速の量産スポーツカーに君臨している。

 さらに同社は1月、『アルティメットエアロEV』の開発プランを公表。エンジンに代えて、「AESP」(オール・エレクトリック・スケラブル・パワートレイン)を採用。2次電池としてリチウムイオンバッテリーを搭載し、2個のモーターは最大出力1200psを発生するという。

 今回SSCグリーン社は、北米でカスタムキャンピングカーのシャシーを手がけるジョーンズ&ソンズシャシー社と協力。AESPを載せたキャンピングカーを開発する計画を明らかにした。

 新型キャンピングカーの車名や写真は公表されていないが、約241kmは電気モーターのみで走行するピュアEVとなる。リチウムイオンバッテリーの残量が少なくなると、「ハイブリッドモード」へ切り替え。オンボードジェネレーターを回し、モーターに電力を供給するとともに、バッテリーを充電する。

 ハイブリッドモードでの最大航続距離は約563km。合計約800kmを走行できるキャンピングカーになる。また、自宅やキャンピング場など、外部電源が確保できる場所なら、50A/220Vコンセントにプラグを差し込めば、ひと晩で充電が完了するという。

 まさに夢のようなキャンピングカー。しかし、SSC社は「アルティメットエアロEVを今夏公開」と宣言していたが、現在のところ何の続報もない。キャンピングカーの中核技術のAESPに関しても、アルティメットエアロEVの正式発表を待ったほうがよさそうだ。

シリコンバレーのニューチャレンジ 走り出したテスラモータース リチウムバッテリ搭載のクリーンカー

●群を抜くバッテリ技術

 いち早くリチウムバッテリを搭載した凄い車が現れた。それも、あの「ロータス・エリーゼ」そっくりのEVスポーツカーだ。

 ここシリコンバレーのテスラモータース(Tesla Motors)は、2008年に高級スポーツカーのロードスターを発売し、すでに500台以上を出荷した。価格は10万9000ドル(約1000万円)から。購入者にはカリフォルニア州知事のアーノルド・シュワルツェネッガーや映画俳優のレオナルド・ディカプリオ、Google創業者のセルゲイ・ブリンなど著名人が名を連ねている。

 同社はまた、今年3月、セダン型のモデルSを発表した。価格は5万7400ドルからで、7人乗り。発売予定は2012年だが、すでに1000台以上の予約が入っている。1回の充電走行距離はロードスターが220マイル(約400km)、モデルSはバッテリにより160、230、300マイルが選べる。他のEVの走行距離が80〜100マイルであることと比較すると、テスラのバッテリ技術は群を抜いている。

 それを支える基盤技術は電池の発熱制御だ。ロードスターの場合、市販のリチウム電池(日本製)6831本で構成した11の電池ユニットを電源ボックスとし、それぞれのユニットにセンサーや制御回路を組み込み、リチウムの安全性にも特許技術の検出制御システムを搭載している。

●真のベンチャー精神

 テスラのCEOはイーロン・マスク(Elon Musk)氏。1971年生まれ、38歳。テスラには個人マネー7000万ドルを出資した。彼の生涯の事業テーマは「インターネットと宇宙、そしてクリーンエネルギー」の三つだ。

 まず、1999年にインターネット上のマイクロペイメント(小口決済)のPayPalを共同で創業、2002年にはeBayに15億ドルで売却した。次に2002年、宇宙旅行のコストを大幅に下げるSpaceXを立ち上げ、宇宙船の回収、再利用にも成功。これが2番目の宇宙事業だ。そして現在はテスラでEV開発の傍ら、カリフォルニアでも有数のソーラーパネル設置会社ソーラーシティー(Solar City)にも出資。いわく、「日常、80〜100マイル走るための電力は太陽電池だけで十分なはずだ。そのために家庭にはソーラーパネルを設置し、いずれはEVと連動させる」という夢を抱いている。自分が考えたことを夢から現実に移す。これこそが、シリコンバレーの本物のベンチャー・スピリットだ。

 サブプライムに端を発した未曾有の不況。しかし、テスラの販売はカリフォルニアから全米へ、そして英国にも伸びた。GMやクライスラーの会社更生法適用を尻目に「クリーン」の追い風を受け、今年2月にオバマ政権が立法化した経済再活性化策に沿って、先月、エネルギー省からEV製造工場建設のための低利融資4億6500万ドルの獲得に成功。ほぼ同時に、独ダイムラーがセダン型とバッテリーシステムを供給することを条件に10%を出資することが決まった。これで念願のセダン型出荷も、2012年には大丈夫だ。

2009年7月28日火曜日

トヨタ、コンパクト車もハイブリッド 11年にも発売

 トヨタ自動車が、コンパクト車クラスのハイブリッド専用車を、11年にも売り出す計画であることが27日、わかった。

 トヨタにはこれで、1千数百万円する高級セダンから100万円台のコンパクト車まで、すべてのクラスにハイブリッド車(HV)がそろう。トヨタは電気自動車など様々な環境対応車(エコカー)が開発されるなか、HVを大量投入。次世代エコカーの主役の座に据える戦略だ。

 新たに売り出すHVは、コンパクト車「ヴィッツ」のエンジンや車台を利用する。搭載するハイブリッドシステムは、プリウスのものより小型で安く作れる、新開発のものにする考えだ。

 燃費性能はプリウスの1リットルあたり38キロを上回る、同40キロ以上を目指している。価格はプリウスの205万円に対し、150万円前後に抑えられる見通しだ。

 トヨタは10年末にヴィッツの次期モデルの生産に入り、1年後の11年末にもハイブリッド専用車を追加投入する予定。国内だけでなく、フランス工場での生産や欧州市場投入の可能性もある。

 トヨタがすべてのクラスにHVをそろえる「フルライン化」を急ぐのは、環境志向の高まりで、販売が急増しているためだ。

 5月発売の3代目プリウスは旧型より価格を約30万円引き下げたことや、政府の購入支援策の追い風で爆発的なヒットとなった。高級車ブランド「レクサス」でも、いまやHVが販売の主力になっている。

 欧米では今後、燃費や排出ガスの規制が大幅に強化される。ライバルのホンダはHVの需要がさらに高まるとみて、10年にもコンパクト車フィットにHVを設定する計画を明らかにしている。

 トヨタはディーゼル車が主流の欧州でも、HVを主力商品に育てる方針。電気自動車や燃料電池車の研究開発も進めているが、価格や航続距離の面から当分の間、HVがエコカーの主役になるとみて、大量投入を計画している。